(凡例:日本半導体集積回路の回路配に関する法律=日チップ法)

1. 保護の対象

半導体集積回路の素子及び導線の配置設計を保護の対象とします。“半導体集積回路”とは、半導体材料若しくは絶縁材料の表面又は半導体材料の内部に、一つ以上の能動素子を含む回路素子等とこれらを連結する導線とが分離できない常態に同時に形成され、電子回路の機能を有するように製造された中間及び最終段階の製品をいいます。
“配置設計”とは、半導体集積回路を製造するために各種の回路素子及びこれらを連結する導線を平面的又は立体的に配置した設計をいいます(法第2条、日チップ法第2条参照)。


2. 創作者の範囲(権利の主体)

権利の主体は、半導体集積回路の配置設計の創作者であり(法第2条3号)、法人等
(国、法人、団体及びその他の使用者)に従事する者が職務上創作した配置設計は特約がない限り、その法人等を当該配置設計の創作者とします(法第5条、日チップ法第5条参照)。


3. 外国人の配置設計の保護

外国人及び外国法人の配置設計は、この法及び韓国が加入又は締結した国際条約により保護されます(法第3条1項)。
しかし、外国で韓国の国民の配置設計についてこの法に準ずる保護をしない場合に
は、それに相応する保護の制限をすることができます(法第3条2項)。


4. 配置設計権の登録

(1) 設定登録の申請
配置設計を創作した者(又はその承継人)は、営利を目的としてその配置設計を最初に利用した日から2年以内に限り、その配置設計権の設定登録を申請することができます(法第19条1項、日チップ法第3条参照)。

(2) 設定登録(形式的審査)及び公示
配置設計権の設定登録の申請があったときは、次の各号の一に該当して却下する場合を除き、設定を登録しなければならず(形式的審査)、かつ、これを公示しなければなりません(法第20条・第21条、日チップ法第7条・第8条参照)。
  1.
申請人が創作者でない場合
  2. 配置設計権が二人以上の共有の場合に、共有者全員が共同で申請していない
  場合。
  3. 営利を目的としてその配置設計を最初に利用した日から2年を経過して申請し
  た場合。

(3) 設定登録の効力
設定登録は、配置設計権の権利変動(設計権の移転又は処分・専用利用権・通常利用権及び質権の設定・移転・変更・消滅又は処分等)について第三者に対抗するための要件になります(法第23条、日チップ法第21条参照)。


5. 配置設計権の発生及び存続期間

配置設計権は創作性のある配置設計を設定登録することにより発生し、その存続期間は、設定登録の日から10年であります(法第6条・第7条1項、日チップ法第10条参照)。

6. 配置設計権の効力及び制限

(1) 効力: 配置設計権者は、設定登録された配置設計を営利目的に利用する権利を独占(専有)します(法第8条、日チップ法第11条参照)。

(2) 効力の制限: 配置設計権は、次に掲げる事項には、その効力が及びません(法第9条1・2・3項、日チップ法第12条・第13条参照)。
  1. 教育・研究・分析又は評価等の目的若しくは個人が非営利的に使用するための
  配置設計の複製又はその複製の代行。
  2. 研究・分析又は評価等の結果により製作されたものであって、創作性のある
  配置設計。
  3. 配置設計権者でない者が製作したものであって、創作性のある同一な配置
  設計。
  4. 適法に製造された半導体集積回路等の引渡しを受けた者又は他人の登録され
  た配置設計を不法に複製して製造された半導体集積回路等を善意で、かつ、過失
  なく引渡しを受けた者(善意者)がその半導体集積回路等について営利を目的とし
  て譲渡・貸渡し、若しくは展示又は輸入する行為。


7. 配置設計の利用権(専用利用権・通常利用権)

配置設計権者以外の者が設定行為で定めた範囲内において、営利を目的としてその配置設計を利用することのできる権利であって、専用利用権、通常利用権等があります(利用権設定の裁定制度は別途にあります)。

(1) 専用利用権: 配置設計権利者との契約により他人(専用利用権者)が、設定行為で定めた範囲内において、営利を目的としてその配置設計を独占的に利用することができる権利であります(法第11条、日チップ法第16条参照)。

(2) 通常利用権: 配置設計権者又は専用利用権者との契約により、若しくは法律の規定(利用権設定の裁定)により他人(通常利用権者)が、設定行為で定めた範囲内において、営利を目的としてその配置設計を利用することのできる権利であります(法第12条、日チップ法第17条参照)。


8. 紛争の調停

(1) 調停機構の設置: 配置設計権、専用利用権及び通常利用権等に関する事項を審議し、この法律により保護される権益に関する紛争を調停するために配置設計審議調停委員会を設置しておりす。紛争調停の申請があったときは、同委員会はその申請があった日から6月以内に紛争調停をしなければなりません(法第25条、27条2項)

(2) 調停の成立と効力: 調停は当事者間に合意された事項を調書に記載することにより成立し、この調書は裁判上の和解と同一な効力をもちます(法第29条)。


9. 権利の侵害からの救済

(1) 民事上の救済手段: 権利侵害の停止又は予防請求権、損害賠償請求権、補償金請求権、利用料請求権等があります(法第35条・第36条・第37条・第38条、日チップ法第25条・第27条参照)。

(2) 刑事上の救済手段: 配置設計権又は専用利用権を侵害した者は、3年以下の懲役又は5千万ウォン以下の罰金に処し、若しくはこれらを併科することもできます(法第45条1項、日チップ法第51条参照)

これらの侵害罪は親告罪であって、告訴がなければ公訴を提起することができません(法第45条2項)。